青いもるぽん

Pokemon @hanbun_pom

トリプル ミロカロス構築【PCL2015優勝】

全国ポケモンサークルリーグ(PCL)が今年も始まりましたね.
タイムラインに予選の対戦カードを伝えるツイートが流れているのを見ると,あれからもう1年経ったのかと懐かしく思います.
懐かしくなって去年のPCLを振り返っていた時に,去年自分が書いたメモがそのまま残っていることを思い出したので,仕上げて記事として公開することにしました.

まずはじめに,かなり期間があいてしまいましたが,PCLの運営の方,オーキ堂のメンバー,対戦相手の方,PCL2015ではありがとうございました.
以下の記事の内容は,私がPCL2015の決勝トーナメントで使用したパーティです.戦績は3-0でした.


☆パーティ全体
(※横幅が長いのでPC表示推奨です)


ポケモン 技1 技2 技3 技4 持ち物
まもる ねっとう こごえるかぜ じこさいせい オボンのみ
フレアドライブ インファイト ワイルドボルト しんそく こだわりハチマキ
おんがえし けたぐり ふいうち ねこだまし ガルーラナイト
キングシールド かげうち シャドーボール ワイドガード じゃくてんほけん
まもる このゆびとまれ よこどり てだすけ しんかのきせき
まもる くさむすび 10まんボルト ちょうはつ いのちのたま


☆詳しい構築の経緯と個別解説

 PCL予選参加者のパーティが公開され趣味でKPを集計していた時に,トリプルの多くのパーティに対してミロカロスが強い傾向にあると感じた.理由は主に次の2つ,
・トリプルは6匹全てのポケモンを選出し3匹ずつ並べるというルール上,威嚇が採用されることが多いため,勝ち気のポケモンは特性の発動機会に恵まれる.
・スタンダードなパーティに「水の通りが良い威嚇持ちの物理ポケモン+特殊攻撃メインの炎・鋼・妖タイプ+低火力なサポート枠」という形が多く見られる.
そこで,特性が勝ち気で,特殊方面に強い水タイプであるミロカロスから構築を始めた.



ミロカロス

まもる ねっとう こごえるかぜ じこさいせい @オボンのみ
ひかえめ HCS (202-*-103-150-146-113)

無補正60族(ニンフィアギルガルド)抜き

特性を最大限活かすために中央で出すことが多く,その分相手の攻撃が複数飛んでくる機会が多いため「まもる」が確定.
タイプ一致の水技として,勝ち気発動時には火力が十分にあり,そうでなくても追加効果の恩恵が大きい「ねっとう」が確定.
高速低耐久や交代戦に対応しやすい優秀な全体S操作技であり,袋叩きなどのコンボ展開にも強い「こごえるかぜ」を採用.
最後に,有利な特殊相手に安定して詰めや居座りができる「じこさいせい」を採用した.

持ち物は,中央に出す以上,相手の攻撃を複数回受ける機会が多いと考えて,「オボンのみ」を採用した.
状態異常を受ける機会が多いとも考えられるので,「ラムのみ」も選択肢であると思う.

素早さは,よく見かける特殊ポケモンであるニンフィアギルガルドを準速まで抜ける113に設定.また,「こごえるかぜ」1回で最速102族まで抜ける.
特殊をメインに多くの技を受けるためHPに全振り,残りは勝ち気の発動の有無に関わらず有利な相手に対しての遂行速度を上げるためにCに振った.



 次に,「威嚇持ちのポケモンを強烈に牽制できる」というミロカロスの特徴を活かせる,強力な物理アタッカーの採用を考えた.
1匹目に崩しの軸として鉢巻ウインディを採用した.



ウインディ

フレアドライブ インファイト ワイルドボルト しんそく @こだわりハチマキ
ようき AS (169-162-100-*-100-158)

パーティの攻撃の中核を担う最高火力.ウインディの攻撃性能を軸に相手を崩していく.
炎,格闘,電気タイプの高威力な物理技を習得でき,高い種族値,威嚇,炎タイプの耐性を持つため,以下のようにトリプルで使用率の高いポケモンの多くに役割を持つことができる.

フレアドライブ」:ニンフィア サンダー クレセリア サーナイト トゲキッス (クチート ギルガルド モロバレル
主にはフェアリーに対しての遂行技だと考えている.ウインディは炎タイプ以外の攻撃技や補助技を多く覚えるポケモンであるため,「炎技を等倍で受けるぐらいは構わないだろう」と判断されやすい.その結果,役割対象に鉢巻フレアドライブを直撃させやすい.
インファイト」:ヒードラン サザンドラ ガルーラ バンギラス
陽気であればメガ進化前はガルーラより早く,無振りのガルーラがぴったり確1となる.
初手でサザンドラヒードランと対面した場合も,交代されることは比較的少なく,そのまま倒せる.
ワイルドボルト」:ファイアロー リザードン ニョロトノ カメックス
タイプと威嚇でファイアローリザードンをそこそこに受けながら遂行できる.
陽気の場合はH振りのリザードンが中乱数なので,他の先制技や蓄積ダメージと合わせられると安心.
しんそく」:ファイアロー いたずらごころ
終盤の詰め技として十分な火力のある先制技.この指,怒りの粉よりも先に打てる優先度が活きる状況もある.

トリプルはリザードンの採用率が高い影響で晴れ状態であることが多く,「とりあえずフレアドライブ」が強いという試合が何回もあった.火力はゴリラの6割程度しかないが,リザードンに対してワイルドボルトではなくフレアドライブでゴリ押せる程度には十分強かった.

反動技を多用するうえ,無振りでも特殊水技以外は大体1発耐えるので,耐久調整は考えずに努力値はASで良い.
性格はガルーラ・サザンドラリザードンなどを意識して,縛れる範囲を広げられる陽気とした.



 次に,ミロカロスウインディの勝ち気,威嚇,攻撃範囲を活かせる2匹目の強力な物理アタッカーとして,またこれらのポケモンでの崩しと詰めを安定させるねこだまし役を兼ねて,メガガルーラを採用した.



○ガルーラ


おんがえし けたぐり ふいうち ねこだまし @ガルーラナイト
ようき AS (メガ後181-177-120-*-120-167)

採用理由から「ねこだまし」が確定.展開を有利に進めるために必須級の技であり,ガルーラ自身の特性もねこだましと相性が良いものが揃っている.
味方からの耐久力補助があることや,威嚇を抑制していることを考慮して,最も広く撃ち合えて反動のない「おんがえし」を採用.
岩鋼やガルーラミラー,サザンドラに対して最も素早く火力を出せる「けたぐり」をサブウエポンに採用.
最後に,後に採用する化身ボルトロスやピッピの補助技と合わせることで有効に使いやすく,高火力で攻撃範囲が広がる先制技である「ふいうち」を採用した.

特性は,相手のギルガルド(ワイドガード)やゴーストタイプの補助技をガルーラが止める必要性が薄い構築なので,スカーフドーブルなどを意識して精神力に.
配分は陽気ASと意地っ張りHASのどちらも良い点があり,どちらも使ったが,ムーブやガルーラミラー,サザンドラへの遂行を考えると最速のほうが使いやすいように思う.
(実際にPCL決勝トーナメントでは個体を変更して使っていた.準決勝では陽気ASを使い,相手の最速ガルーラとの同速に負けた.決勝では意地っ張りS130(メガ140)を使い,相手の最速カポエラーとの猫合戦に負けた.)

ねこだまし役の中でも特定の相手との有利不利が非常に少ないために,味方のどのポケモンとでも並べやすい.
メガ枠ではあるが,「ねこだまし」を使える以外は重要な役割を持っていないうえ,ノーマル単タイプは基本的にはサイクル戦ができるタイプではないので,初手で出してねこだましをした後に削り続けるか,後発に置いて死に出しから縛っていくかで,雑に動かすことも多い.



 次に,ここまで殴るタイプの単タイプ3匹なので,高耐性,高火力,先制技,様々な相手の絡め手展開への耐性(いわゆるギルガルド枠)として,ギルガルドを採用した.




ギルガルド

キングシールド かげうち シャドーボール ワイドガード
なまいき HCD (167-70-170-83-209-72)

ガリザードンYの晴れ熱風(≒ヒードランの晴れ珠熱風)耐え

相手との読み合いが発生する技ではあるが,堅実に動く選択肢が取れるため「ワイドガード」を採用.
攻撃的な味方ポケモンとの相性が良く,動きの遅いギルガルドを積極的に動かせる点で優秀な先制技である「かげうち」を採用.
削り技として,相手の補助要員であるエスパーやゴーストに強い「シャドーボール」を採用.
最後に,高い耐久を活かして撃ちあうためと,相手のS操作を凌ぐために「キングシールド」を採用した.

シャドーボール+かげうち」による高いタイマン性能に期待して,HD振りの「じゃくてんほけん」持ちを使用することにした.
オーキ堂のねおん君がカロスダブルの頃に使っていたギルガルドを参考にしており,この型の使い勝手の良さがとても気に入っている.素早さはムーブや弱点保険を考慮して最遅にする選択肢もあると思う.

前述の通り,「ギルガルド枠」という言葉があるほどトリプルで便利なポケモンであるが,耐性面でも他の鋼タイプとは異なる強みがあり,特にガルーラと組み合わせた場合にそれが良く分かる.
ノーマル単タイプのガルーラはタイプ耐性に乏しく,安全に交代出しすることが難しいポケモンだが,「キングシールド」,「ワイドガード」を持ち,ゴースト抜群,格闘無効であるギルガルドの裏からなら,比較的安全に交代出しを狙うことができる.
つまり,タイプ耐性に乏しいポケモンでもギルガルドの裏からなら交代できるタイミングを作れることこそがギルガルドの耐性の強みであり,単タイプのポケモンを中心に組んだこのパーティと噛み合っている点でもあると思っている.



 ここまでで足りない要素は,素早さ操作などのこちら側を有利な展開にするサポートと,袋叩きなどの相手の展開への耐性.そして水(雨やカメックス)への打点が挙げられる.また,単体技メインで数値が高い単タイプのポケモンが中心なため,対面から1匹ずつ相手を崩していくという方針に合うポケモンを採用したい.
最終的には相手のS操作や対面での打ち合いを特性と技で強引に補助できるピッピと,攻守で安定した電気タイプであり,高速で挑発が使えるため相手の展開に強い化身ボルトロスを採用した.



○ピッピ

まもる このゆびとまれ よこどり てだすけ @しんかのきせき
なまいき HBD (175-50-78-80-121-36)
ニンフィアの眼鏡ハイパーボイス2耐え

場に残るだけで特性が活きるポケモンなので「まもる」が確定.
同様にHPが少しでも残っていれば相手の単体攻撃から味方を守ることができる「このゆびとまれ」も確定.
相手の数値を強化するリフレクター,ひかりのかべ,追い風,積み技,神秘の守りなど,幅広く保険をかけられるため「よこどり」を採用.
最後に,防御的なピッピが出ている状況でも攻撃面が緩まらないよう,単体技と合わせて一気に相手1匹を崩すことができる「てだすけ」を採用した.

特殊等倍への受けだしの機会が最も多いと考え,ニンフィアハイパーボイスを目安に特殊耐久を重視した配分にした.素早さはムーブを考慮して最遅とした.

「フレンドガード」「このゆびとまれ」のおかげで,場に出ているポケモンを強気に動かせるタイミングが増え,パーティ全体の動かしやすさに貢献している.
タイプ面でも,対処しにくいサザンドラに対して強い耐性を持っている点で補完に優れている.
他にも,「このゆびとまれ」のおかげで袋叩きパーティなどの味方を攻撃するコンボを牽制できたり,「よこどり」のおかげで壁展開(特に有名なクレッフィ雨)の妨害ができたりと,特定の対策がないとペースを握られやすい相手に対しても自然に強くなれる点で優秀.

「よこどり」をしながらミロカロスが「じこさいせい」をするとピッピが回復してしまったりする.有効活用できる場面もあるかもしれない.



ボルトロス(化身)

まもる 10まんボルト くさむすび ちょうはつ @いのちのたま
おくびょう CS (155-*-90-177-100-179)

扱いやすいタイプ一致技である「10まんボルト」が確定.
ドーブルを始めとした相手の催眠技や,素早さ操作技などへの対抗策として「ちょうはつ」が確定.
袋叩きパーティへの対抗策として,テラキオンを縛れる「くさむすび」を採用.
最後に,先発に出した場合に,ねこだまし+αで倒れてしまうのを防ぐために「まもる」を採用した.

持ち物と配分は,テラキオンリザードン,相手の水タイプを一撃で倒すことを意識して,「いのちのたま」を持たせて,CSに振り切った.
素の耐久は低いが,ウインディ,ピッピ,ガルーラなどと並ぶと2回は行動できることが多く,十分に削りや妨害を行うことができた.
苦手とする霊獣ランドロスミロカロスが抑えていた点も,ボルトロスの動きやすさに繋がっていたと思う.
「ちょうはつ」は相手の補助の妨害をする他にも,単体攻撃が中心のこのパーティで「まもる」を封じられることの恩恵が大きかった.


☆選出その他

基本的にミロカロスを先発中央に出す.特に相手に威嚇持ちがいるなら必ず中央に出している.
左右に,ガルーラ,ウインディボルトロスから2匹を選択.
後発にピッピ,ギルガルドを置く.

例えば,よくある袋叩きパーティの場合はガルーラ,ミロカロスボルトロスで選出.

リザードンが出てきたら,そのまま目の前の相手を攻撃する.
テラキオンが出てきたら,ねこだまし,こごえるかぜ,くさむすびを押す.最悪テラキオンに守られても,こごえるかぜのおかげで袋叩きは決まらなくなるので安心.

クレッフィのような壁や神秘を中心に展開するパーティには,例外的にピッピを先発で出す.
影踏み入りの雨や滅びには,例外的にギルガルドを先発で出すこともある.



勝戦のバトルビデオ