ポケモン当てクイズ「どくどく」 解答解説+おまけ(問題作成)
私がTwitterで出題したポケモン当てクイズです。
自力で問題を解きたい!という方のために、まずは問題のみ。
ポケモン当てクイズ 「どくどく」
— もる ぽん 🌸🐬 (@hanbun_pom) 2019年5月17日
画像の条件を満たすポケモンA、B、Cの組み合わせは?
◆回答はDMへ◆
後日、ブログで解説を公開する予定です。#ポケモン当てクイズ pic.twitter.com/cWrIo0m0RU
以下、解説に移ります。
問題文を読みます。
「毒無効が2匹いるんだな」
「4行目の条件はよくわからないな」
「Cは大爆発が使えるポケモンで、Aは岩か鋼だな」
パッと見るとこれぐらいの感想でしょうか。
そしてもう一度よく読むと、まず気になるのはBのはずです。
”Aの「どくどく」は、Bをどく状態にできない”
”Cの「どくどく」は、Bをどく状態にできる”
Bに何が起こっているのか、というところがスタートになります。
1. Bは誰?
まずは、どく状態にならないタイプ、特性等を考えてみましょう。
1-1. Bのタイプ?
どく状態にならないタイプは「どく」「はがね」の2つです。
そのBをどく状態にできるCは、特性「ふしょく」のはずです。
しかし、特性「ふしょく」のポケモンは「だいばくはつ」を覚えないため、5行目の条件に矛盾します。*1
ということは、Bは「どく」「はがね」タイプ以外です。
1-2. Bの特性?
次に、「どくどく」でどく状態にされない特性を考えましょう。
候補は「めんえき」「マジックミラー」「リミットシールド」「ぜったいねむり」「ミストメイカー」
そのBをどく状態にできるCは、特性「かたやぶり」系統のはずです。*2
しかし、特性「かたやぶり」系統のポケモンも「だいばくはつ」を覚えません。*3
ということは、Bは「どくどく」でどく状態にされない特性ではありません。
1-3. 詰んだ?
はい。
どく状態にならないタイプや特性のBを考えると、Cが必ず矛盾します。
しかし、まだ詰んだわけではありません。
逆に考えましょう。Bはどく状態にならない特別なタイプや特性ではないのです。
Aが何らかの理由で、通常どく状態になるはずのBをどく状態にできない可能性が残っています。
それはつまり、Aが「いたずらごころ」、Bが「先制技を防げる特性」*4もしくは「あくタイプ」の場合です。*5
となると、BやCより先にAが限定されてきます。
2. Aは誰?
Aは「いたずらごころ」であり、なおかつ”Cの「だいばくはつ」は、Aに効果いまひとつ”です。
「だいばくはつ」はノーマルタイプの技です。*6
ノーマルタイプの技を効果いまひとつにできる「いたずらごころ」のポケモンは、クレッフィだけです。*7
ということで、Aはクレッフィで確定しました。
ここで、解答の折り返し地点です。
折り返し地点とはいっても、富士山で言うところの5合目です。ここから一気に難しくなります。
3. 「ある攻撃技」って何?
4行目以外の条件からAがクレッフィであることは分かったものの、BとCについてはまだ絞り込むことができません。
そこで、いよいよここまで放置していた4行目の条件の出番になります。
”Bの「ある攻撃技」はタイプ一致で、Aには効果がないが、Cには効果抜群”
ややこしいですが、Aがクレッフィだと確定しているので、「ある攻撃技」のタイプから考えていきましょう。クレッフィに対して効果がない技のタイプは「どく」「ドラゴン」の2つです。
3-1. 「ある攻撃技」はどくタイプ?
「ある攻撃技」がどくタイプだった場合を考えましょう。
これをタイプ一致で使える「どくタイプ」のポケモンで「先制技を防げる」Bの候補は、
「アローラベトベトン系」「スカタンク系」「ドラピオン」です。
そして、Cはどくタイプが効果抜群となるタイプのポケモンです。
しかしCの条件として、”Bの「どくどく」は、Cをどく状態にできない”があります。
つまりCは「どくどく」が効かないタイプ*8、もしくは特性*9ですが、この中には「どくタイプが効果抜群」なポケモンはいません。
つまり、「ある攻撃技」はどくタイプではありません。
3-2. 「ある攻撃技」はドラゴンタイプ?
次に「ある攻撃技」がドラゴンタイプだった場合を考えましょう。
これをタイプ一致で使える「ドラゴンタイプ」のポケモンで「先制技を防げる」Bの候補は、
「サザンドラ系」「アクジキング」です。
Cはドラゴンタイプが効果抜群となるポケモン、つまりドラゴンタイプです。
3-1で書いたとおりCは「どくどく」が効かないタイプ、もしくは特性なのですが「はがねタイプ」「特性」でどくどくが効かないポケモンには、ドラゴンタイプが効果抜群なポケモンはいないので、自動的にCは「どく、ドラゴン」 タイプとなります。
つまりCは「ドラミドロ」「アーゴヨン」のどちらかです。
しかし、思い出してください。Cは「だいばくはつ」を覚えるポケモンです。
ドラミドロもアーゴヨンも、「だいばくはつ」を覚えられません。
つまり、「ある攻撃技」はドラゴンタイプではありません。
3-3. 詰んだよね?帰っていい?
ここが最大の難所です。
もう一度4行目の条件に戻って、何か見落としがないか考えてみましょう。
”Bの「ある攻撃技」はタイプ一致で、Aには効果がないが、Cには効果抜群”
「ある攻撃技」が「どく」「ドラゴン」タイプの技でないにも関わらず、クレッフィに対して「効果がない」となる可能性を考えましょう。
普通に考えるとありえないことですが、実は1つだけ可能性が残っています。
それが、「シンクロノイズ」という技です。
4. 「シンクロノイズ」を使えるBは誰?
「シンクロノイズ」は、相手が自分と同じタイプを持つポケモンの場合のみ効果がある、エスパータイプの攻撃技です。
では、「シンクロノイズ」を使えるポケモン*10の中から、Bの条件である「先制技を防げる特性」もしくは「あくタイプ」のポケモンを探しましょう。
候補は2匹まで絞り込むことができます。
このうち、ブラッキーの使うシンクロノイズは、「自分と同じあくタイプの相手にしか効果がないにも関わらず、技自体はエスパータイプ」なので、「どんなポケモン相手にも効果がない」という、悲惨な技になります。*11
つまり、Bがブラッキーでは”Cには効果抜群”という条件が満たせません。
つまり、Bはハギギシリで確定です。
5. 残ったCは誰?
最後の残ったCについて、ここまでの情報をまとめると
・だいばくはつが使える
・ハギギシリにどくどくが有効
・ハギギシリからのどくどくが無効
・ハギギシリからのシンクロノイズで効果抜群
という条件を満たすポケモンということになります。
このうち一番条件が厳しいのは4つ目です。
「みず、エスパー」タイプのハギギシリからのシンクロノイズが有効なCは、「みず」もしくは「エスパー」タイプが含まれるポケモンであることが分かります。
さらにエスパー技であるシンクロノイズが効果抜群なので、Cのタイプは「みず、どく」もしくは「みず、かくとう」のいずれかという所まで絞り込めます。
「ドククラゲ系」「ハリーセン」「クズモー」「ドヒドイデ系」「ニョロボン」「ケルディオ」が候補です。
このうち、「だいばくはつ」が使えるのはハリーセンだけで、かつハリーセンは上記の全ての条件を満たすことができます。
つまり、Cはハリーセンで確定です。
ということで
A クレッフィ(いたずらごころ)
B ハギギシリ(ビビッドボディ)
C ハリーセン
(ある攻撃技はシンクロノイズ)
これが、唯一の解答になります。
正解された方、おめでとうございます!
おまけ:問題を作るにあたって
この問題、解くの大変だったと思います。
この問題、作るのもなかなかに大変でした。4~5時間ぐらいはかかったと思います。
まず、何から問題を作ればいいのかを決めるところから。
今回の場合、元々Twitterで「どくどくが無効」という条件のある問題を自分が解いたのがキッカケです。
前述の通り「いたずらごころ」+「先制技無効」は「どくどく」を無効化する仕様の1つですが、その問題内ではこれを解答に使うことはありませんでした。
じゃあ、自分でこの仕様を使った問題を作ってやろう、というところがスタートでした。
「いたずらごころ」と「先制技無効」だけでは、ポケモンの候補が多すぎてまだ問題にはなりません。そこで、「いたずらごころ」「先制技無効」の中で、もう1つ絞り込みに使えそうな特殊な条件を持つポケモンがいないかを探しました。そして見つけたのが「シンクロノイズ」という技でした。
ここから先は、もう試行錯誤の連続としか言いようがありません。結果的には、
・ハギギシリの「シンクロノイズ」が無効でない(できれば抜群の)ポケモン
・「かたやぶり」「ふしょく」等、別の毒耐性無効を否定するための条件
・「いたずらごころ」のポケモンを絞り込むための条件
として使えそうなものをとにかく探し、「だいばくはつ」であれば簡潔な条件で一気にこれらを絞り込めるということに気付きました。
さて、問題を作成した後に大事なのが、色眼鏡を捨ててピュアな気持ちで問題を解き直してみることです。もしくは、付き合ってくれる友人に一度解いてもらうのもオススメです。
実は自分も今回の問題、作成当初は解答が1通りにならないことを指摘されました。
具体的には、2行目の条件がない場合、解答が1つ増えてしまいます。それは何でしょう?
その解答を以下に書きます。反転でどうぞ。
(クレッフィ、ゲッコウガ(へんげんじざい、ダストシュート)、ダーテング)
最後に、問題を解いたり、解説を読んだりすると、最終的には解答に関係がないことでも、その過程に新たな気付きが沢山あると思います。
そして、その気付きから新しい問題が作れそうな気がしてきます。問題のアイデアを考えている時が一番楽しいです。実際に作ってみると、たぶん全然うまく行かなくて時間がどんどん過ぎていくと思います。それでも良いよというお暇な方は是非問題を作ってみて、そして解説してください。楽しく読ませていただきます。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
*2:厳密には「ぜったいねむり」「ミストメイカー」は「かたやぶり」でもどく状態にできません
*3:カイロス、メガギャラドス、メガデンリュウ、ラムパルド系、ドリュウズ系、ナゲキ、ダゲキ、バスラオ、オノノクス系、クリムガン、ゴロンダ系、ルチャブル、レシラム、ゼクロム、BWキュレム
*5:余談ですが、Aが「ノーマルスキン」、Bが「ゴーストタイプ」の場合「どくどく」は有効です
*6:Cの特性が「エレキスキン」もしくは「フリーズスキン」の場合はそれぞれでんき、こおりタイプの技になりますが、その場合”Bの「どくどく」は、Cをどく状態にできない”の条件に矛盾します。
*7:ヤミカラス、ヤミラミ、バルビート、イルミーゼ、メガジュペッタ、リオル、レパルダス系、エルフーン系、トルネロス、ボルトロス、ニャオニクス♂、クレッフィ
*8:どく、はがね
*9:「めんえき」「マジックミラー」「リミットシールド」「ぜったいねむり」:カビゴン、グライガー、ザングース、ネイティオ系、エーフィ、メガヤミラミ、メガアブソル、メガディアンシー、メテノ、ネッコアラ
*10:ゴルダック系、スリーパー系、ブイズ、ヨルノズク系、ネイティオ系、ドーブル、サーナイト・エルレイド系、バクオング系、カクレオン、チリーン、ペラップ、ムシャーナ系、ココロモリ系、シンボラー、オーベム系、ハギギシリ、マギアナ
*11:これだけでクイズが1つ作れそうですね